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ニューヨーク、一日目。
真冬の薄い雲のかかった青空、ハイウェイの向こうの魔天楼、トロントよりはせまい道幅、途切れなく建ちならぶブラウンストーン。
地下鉄の入口は見過ごすほどで、階段をおりると危ない、都会の、匂いがする。タイルづくりの駅名表示は駅ごとに色が違っていて、地下鉄はすごくゆれる。線路にカメラのレンズキャップを落とした。うかれていたために。
ダンキン・ドーナツのホット・チョコレートはソルテッド・キャラメルがいちばん好き。街角ごとにオレンジとピンクのロゴ・マークをみつけては寒さをいいわけに買ってしまう。
あこがれのブルックリン・フリーはクリスマス・オーナメントとファーとローカル・アートとヴィンテージ家具、おしゃれな、おしゃれな、おしゃれなものと、おしゃれなひとたちであふれていて、帰りのバスのなかでとけてしまうとわかっていても、魔法のかかった何かを買って帰りたいと思う。
そうニューヨークには、わたしが着ているものとあなたが着ているもの、いまここで取り替えてほしいと思うようなひとがたくさんいて、でもそれは反則だから声はかけない(もちろんそんなことはできない)。
おしゃれは、うわべだけのものだと思うひともいるようだけど、そうじゃないことを知っている。インテリジェンス。愛して、楽しむ気持ち。悪夢のようなできごとが人生では起こってしまうけど、そういうときはすてきな服を着て乗り越える。
地下鉄の線路図をなぞりながら次の目的地、ダンボへ。ブルックリン・ブリッジとウィリアムズバーグ・ブリッジは見分けもつかないし調べもしなかったけど、まだネオンがつく前のおそい夕方のマンハッタンと太陽の明るさの残る水辺は美しく、風よけにかこわれた回転木馬はかわいらしくて、十二月のウエディング・ドレスは都会的で、映画の撮影みたいだった。
九時を過ぎた夕食にラム肉のピタ・サンドイッチ。スパイシーなマヨネーズをつけてたべるフレンチフライはモントリオールのプティーンの三倍はおいしかった。ジャンクフードではだれもアメリカに勝てない。
旅行中はいつまでも起きていたくなって困る。